※この記事は旧広報課から転載したものです。
都市開発鉄道シミュレーションであるA列車で行こう3D・PC。
今作では子会社や資源部門が儲かりやすいですが、
それでも鉄道部門が利益の要となることに異論はないでしょう。
鉄道部門の利益は「乗客の支払う運賃」「駅の売上」「貨物列車の資源売却益」の3つに分けられます。
本来なら乗客が支払う運賃が主体となるはずですが、今作では駅の売上による収益が非常に大きく、駅ビルで稼ぐプレイが主流となっています。
今回は駅ごとの利益について調査しました。
検証内容
- 駅の利用者あたりの収入
- 駅の維持費の正確な数値
検証方法
コンストラクションモードにて、上図のようなマップを作成。
マップ内自社用地に駅を2駅建設します。
片方の駅は線路と接続して、隣町(大都市)間で運行を行う。
もう片方の駅は何もせず放置して維持費を計測します。
検証期間は7日間。
この間、日毎の利用者数を記録します。
7日間実験を行い、4月8日の時点の今期売上・今期費用を記録。
なお、検証にあたっての条件は以下の通り。
開始年度:1992年
公共交通利用率:100%
開始年度を1992年にしたのはこの年の物価がキリがいいため。
本作は時代の経過によって物価や建設費が変動します。
1992年は資材工場Aが10億円、地上線路1マスにつき1000万円とキリがいいため採用しました。
その他、筆者の出生年で覚えやすいというのも理由。
実験結果
【追記】上図だとわかりにくいため、主要データのみ書き出してみました。
駅種別 | 維持費(万円) | 客単価(円) | 損益分岐点(人) |
---|---|---|---|
ターミナル駅A | 12.4 | 149.5 | 831.6 |
ターミナル駅B | 18.7 | 225.2 | 830.8 |
地上駅A | 3.4 | 74.6 | 459.7 |
地上駅B | 7.4 | 153.4 | 484.2 |
地上駅C | 4.6 | 74.6 | 613.1 |
橋上駅A | 6.9 | 149.6 | 458.4 |
高架駅 | 36.7 | 299.3 | 1226.6 |
地下駅A | 16.0 | 149.5 | 1070.1 |
駅ビルA | 50.6 | 375.0 | 1348.6 |
駅ビルB | 65.0 | 450.0 | 1444.6 |
駅ビルC | 125.0 | 599.8 | 2084.2 |
一部実験していない駅もあるものの、概ねこんな感じ。
多少誤差はあるものの、駅利用者1人あたりの収益は法則性があります。
損益分岐点についても計算しましたが、後述の理由により不正確なものになっています。
- 駅の種類による利用者数への影響はほとんどない。
ターミナル駅のみ若干利用者数が多いが、これは折り返しがないことによる運行頻度の差と思われる。
今度からは発車時刻や進行方向の設定も揃える必要があるか。 - 地上駅A・Cはデザイン・建設費が違うが、客単価に差が無い。
もしかしたら発展への影響に差が出るかもしれないが、効率を考えれば地上駅Cのメリットはない。
もっとも、365万円/年程度の維持費の差なら実用上問題は無く、趣味で決めても問題ないと思われる。 - 高架駅の維持費が意外と高い。
その一方で利用客あたりの収益も駅ビルに準じて高い。
駅の収入は増やしたいが駅ビルが林立するのは景観上良くないと思う場合、有用と思われる。 - 地下駅の建設費は非常に高いが、維持費はそこまで高くない。
その代り、利用客あたりの収益は橋上駅程度。
収益を増やすなら、主要駅だけでも地上に出して駅ビルを建てた方がいいと思われる。 - やっぱり駅ビルは強い。
建設費を考えなければ、駅ビルAは1400人程度でも黒字になる。
ここまで検証した後に、ある致命的な問題点に気づきました。
駅維持費に関するもう一つの実験結果
マス数・本数を変えて駅ビルAを建設して、7日間放置したときの今期費用。
どうやら駅だけでなく、ホームの本数や長さも維持費に影響が出るみたいです。
3マス1本のときは1349人/日でトントンだが、7マス6本だと3634人/日いないと赤字……。
更に言えば、前述の調査時に駅のホームの長さを統一していなかったため、
損益分岐点の比較が成立していません。
たぶん全駅5マス1本だった気がしますが、一部3マス1本だった記憶も……。
補遺:パッチョガス株式優待について
「パッチョガス」の株式優待による駅の運営費削減についても調べた結果。
株式優待によって駅の運営費が2%安くなるのですが……。
実験に使用した駅が地上駅Aだったため、誤差レベルの影響しか出ず。
客単価に対する影響はないような気もしますが、要再調査。